グラフィックデザイナー年収の実情【18年目の現役デザイナーが語る】

グラフィックデザイナー年収の実情【18年目の現役デザイナーが語る】

グラフィックデザイナーって稼げるの?
年収はどのくらいなの?年収アップするにはどうしたらいいの?

そういった疑問にお答えします。

グラフィックデザイナー歴18年目、現在フリーランスデザイナーです。デザイナー全体のデータ統計と、自分は今までの18年間でどう変化したのかを踏まえてお伝えします。

まずは結論

グラフィックデザイナーは、会社に属している以上、年収アップは難しいが、フリーランスになることで、平均以上の年収を稼ぐことは難しくない。

詳しく解説していきます。

デザイナー職全体の年齢別の年収変化

まずは、デザイナー職全体の年収の推移を見てみましょう。厚生労働省の信憑性のあるデータです。この表に含まれるデザイナーは、以下の※にて詳しく説明しています。

※厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」よりデータをグラフ化してみました。
※データは、10人未満の会社は含まれないので、フリーランスは含まれません。
※上記の表に含まれる職種:デザイナー、服飾デザイナー、商業デザイナー、インテリアデザイナー、ディスプレイデザイナー、テキスタイルデザイナー、ファッションデザイナー、フラワーデザイナー、グラフィックデザイナー、広告デザイナー、インダストリアルデザイナー、図案家、建築装飾図案家、陶磁器デザイナー、友禅図案家、レイアウター(広告・宣伝業)

グラフィックデザイナー含め、今までの感覚的には、だいたいデザイン職はこんな感じでしょう。55~59歳で一気に年収が上がるのは、データを読み取ると退職金による年収アップでした。

デザイナー全ての平均年収は467万円(大企業を除くと424万円)

目安として

  • 20代は200~300万
  • 30代は400~500万
  • 40代は400~600万
  • 50代は400~700万(この差は退職金)
  • 60代は300〜400万(引退)

こんな感じですね。実際は30代40代で300万円台の人も多いと思います。それでいて労働時間が長い。20時に帰れたら早い方だと思います。22時~23時ごろが普通なんじゃないかな。当然残業代なんて出ない。

デザイナーは、労働時間が多く、低賃金で、高クオリティを求められる。

要するにブラックな職種ですね。なのに何でやってるの? デザイナー限らず、クリエイティブ職全体に言えることなんですが、

デザインが楽しいから。

そういう人が多い。デザイナーは、コスパ悪すぎなので、本当にデザインが好きな人じゃないと、続けるのは難しいし、やる意味ないです。あまりデザイン好きじゃなさそうだな、っていう人に遭遇したりもします。なんで、こんなコスパ悪いデザイナーなんてやってるんだろうかと疑問。

ただし、フリーランスになると、話は別、世界が変わった

【経験談】グラフィックデザイナー会社員時代、3社の月収と年収

グラフィックデザイナーになってから、3回転職を繰り返してきました。会社員時代の年収ですが、1社目と2社目は3ヶ月くらいで辞めたので、月収で記載します。

デザイナーは、月収や年収より、仕事内容を重視するべき

今まで転職する際に、月収や年収で仕事を選んだことはないです。デザイナーの場合、大手は別として、中小企業の場合、目先の月収より仕事内容を優先して選んだほうが、スキルが上がって将来的には高い年収を得ることが出来ます。

1社目

  • 大阪のデザイン事務所
  • 社員数:デザイナー5人、営業5人、経理1人程度
  • 給料:月収15万程度(週休2日)
  • 学校推薦の求人全落ちしたので、とにかく何でもいいから就職しなきゃと思って、適当に入った。仕事内容は微妙で3ヶ月ですぐ辞める。大阪というところで、給料は少し低め。

2社目

  • 東京の有名デザイン事務所
  • 社員数:デザイナー5人
  • 給料:月収13〜15万程度(週休0〜1日)/上司の中堅デザイナー:月収20万程度
  • 少数先鋭のデザイン事務所。大手クライアントの仕事もたくさんしているが、こんなもんでした。質を高めるあまり、寝る間も休む暇も全くありません。

3社目

  • 大手企業のインハウスデザイナー(バイト→派遣契約)
  • 社員数:100人以上(グループ全体だと数千人)
  • 月収:13〜18万(時給1,000円)
  • 年収:180万程度
  • バイトなのでこんなもんでしょう。おそらく社員は給料高いと思います。時給を稼ぐために無駄に居残りしてることもしばしば、今思えば無駄な稼ぎ方だったと思います。

まともに会社に所属していた期間は3年程度であまり参考にならないかもしれないですが、24歳くらいまでは年収100万円台でした。切り詰めて切り詰めて生活していたのを覚えています。 

年収が低いと、年金が免除になったり、保険料が安かったり、消費税以外の税金はほとんど払わなくてよいのはありがたかった。

フリーランス4年目で、年収は倍以上になった

フリーランスになり、定額収入は無くなります。

フリーランス、1~3年目の年収は100~200万円くらい

かなりきびしいですね。小さな案件が多く、やりがいはあるが、お金にならないものが特に多かったです。月1・2件で数万程度の案件、年1回くらい40万の案件をこなす。そんな感じでした。とりあえず何とか繋いでいる状態。3年目に業務委託をして、月12万(週2勤務)がプラスされる。

4年目で、大手クライアントの定期案件が入り、世界が変わりはじめる。このことで、月12万の業務委託を辞める。

20代後半で、年収が会社員時代の倍以上になった

フリーランスだと、徐々に上がっていくことはありません。基本横ばいで、何か大きな案件が入った時に急に上がります。いきなり年収が200万くらい上がることも普通にあります

 フリーランスは、年齢は関係ない。

グラフを見ると徐々に信頼されれば、徐々に仕事は入るし、信頼無くせば一気に仕事がなくなる。リスクもありますが、信頼無くすって、真面目にやっている以上、そんなに無くなりません。小さな信頼を積み重ねることで、いきなり大きな案件が入って、一気に年収があがったりする。

会社に属している以上、どんなに仕事を成功させても、いくらたくさん仕事をこなしても、年収は上がらない

これがフリーランスと会社員デザイナーの大きな違い。

フリーランスは、会社員デザイナーに比べて、コスパは圧倒的に高い。
会社員より伸び率は圧倒的に高い。同じ作業量でも年収は倍以上違う

そのくらいフリーランスと会社員では違いがあります。もちろん、それだけ仕事があればの場合ですが、仕事さえ取れれば稼ぐことは難しくありません。

結論

グラフィックデザイナーは、会社に属している以上、年収アップは難しいが、フリーランスになることで、平均以上の年収を稼ぐことは難しくない。

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