どんな、グラフィックデザイナーを目指しますか?
トップレベルのデザイン会社、大手広告代理店を「新卒」で目標にする人以外は、大学に行く必要はありません。
ほとんどのデザイン現場では、
絵の上手さや表現力よりも、実践的なスキルを求められることが多い
実践的なスキルは美術大学よりも、スクールの方が低予算で効率的に学ぶことができるから。
詳しくお伝えします。
大学が必要な進路は、一部のトップ層デザイン現場のみ

目指す進路によっては、大学に行く必要がない。美術大学で身に付くのは表現力や個性の確立、絵画能力。グラフィックデザイナーとしてその能力が求められているかというと、実は会社によります。
美術大学の学びが生かせる会社は、電通や博報堂といった上位クラスの広告代理店や、デザイン年鑑に載るようなハイレベルのデザイン事務所のみ。アート作品のような個性的なデザインは、普通のデザイン会社では求められません。デザイナーはアーティストではなく、ビジネスマンなんです。
一般的なデザイン現場で必要な能力
クライアントからの要望を、
予算内に、早く、ミスなく、適度なクオリティで形にすること。
果てしない修正指示で直し続けるタフさ、理不尽な修正に対応する精神力。
アイデアが良くても予算オーバーだと意味無いし、スピードが求められる場面も多い、小さなミスでも大問題になることだってある。現実は、美術力とは関係のない能力が求められることが多い現場。デザインに理解のある人、ない人、変なことを求める人も多い。ダサいデザインを求められることもあるし、提案したデザインがどんどん崩されていくことだってある。決して美しく素晴らしいデザインを作り出すだけがデザイナーじゃないのです。
デザイン現場で必要な具体的なスキル
- デザインの考え方・アイデアの出し方
- 文字組の知識
- デザインソフトの使い方
- 印刷の最低限の知識
こういった、現場ですぐ使える実践的な内容は、美大よりデザインスクールの方が強い。
とにかくお金がかかる美術大学
期間も費用も桁違い
- 美術大学 4年間:学費 約600〜800万円(+予備校必須:30〜80万円/年)
- 専門学校 2年間:学費 約250万円
- スクール 3ヶ月〜1年程度:学費40〜80万円程度
スクールは短いけど大丈夫? 結局現場で学ぶことがほとんど。デザイン専門学校に通った自分の感覚だと、現場で役に立ったことって少ない。後から思えばダラダラ長かった気がします。
- 狭き門をくぐって、有名デザイナーになりたい
電通や博報堂といった上位クラスの広告代理店や、デザイン年鑑に載るようなハイレベルのデザイン事務所を目指す
→ 美術大学(学費600万〜800万円:4年間) - 現実的にグラフィックデザイナーになりたい
早くから実務経験を積めるメリット。転職して上を目指す方法もある
→ スクール(学費40〜80万円:1年間程度)
毎年多数の有名デザイナーを送り出す3大学

大手広告代理店や、有名デザイン事務所のデザイナーといった、世に出てる有名なデザイナーの学歴見れば一目瞭然。
多数の有名グラフィックデザイナーを送り出す3大学
- 多摩美術大学
- 武蔵野美術大学
- 東京藝術大学(国立)
多摩美術大学
グラフィックデザイナーといえば、多摩美(タマビ)。現在活躍しているデザイナーの多くは多摩美卒。校風は現代美術寄りで、美術の基礎をみっちり学ぶというより、個性を重視し自由な表現を追求する傾向が高いです。作品も皆個性豊かで華やかな印象があります。技術よりも発想力・表現力を重視する傾向があるので、グラフィックデザインという点でいうと適してるのかもしれません。
多摩美出身の有名デザイナー:佐藤可士和・大貫卓也・永井一史・祖父江慎(中退)・植原亮輔・佐野研二郎
学費:1年次:約196万円 2年次以降:約169万円
武蔵野美術大学
こちらも多摩美と並んで有名な美術大学、ムサビ。こちらの卒業生も有名なグラフィックデザイナーは多いです。プロダクトデザインが有名な大学で、伝統を重んじる校風で、基礎をしっかり学ぶので絵が上手くなるのは武蔵美です。多摩美みたいな派手さはありませんが、描画力を上げたい、しっかり絵の力を生かしたデザイナーになりたいなら、武蔵美がおすすめです。
武蔵美出身の有名デザイナー:原研哉・森本千絵・長嶋りかこ・平林奈緒美・菊地敦己(中退)・立花文穂
学費:1年次:約192万円 2年次以降:約165万円
東京藝術大学
さすが東京芸大とだけあって卒業生は大御所が多く、歴史に残るようなデザインを生み出す、超ハイレベルな方が多い印象です。なんと言っても国立なので学費は破格、ゆえに競争率は桁違い。絵のレベルは圧倒的に高く、このレベルになると就職するというより画家を目指す人も多いです。
東京芸大出身の有名デザイナー:仲條正義・佐藤卓・永井一正・服部一成・佐藤晃一・松永真
学費:年額:約65万円
3大学が全てじゃない、意外な経歴のデザイナーも多い

有名で活躍するデザイナー、意外と出身校が様々だったりします。例えば、キギの渡邉良重さんは山口大学後にDRAFTに入社されていますし、小林洋介さんは明治学院大学文学部卒業後E.に入社し、JAGDA新人賞を受賞。同じJAGDA新人賞を受賞した石塚俊さんは早稲田大学第一文学部。柿木原政広さんのように美術大学じゃなくデザイン学科(拓殖大学工学部工業デザイン学科)というパターンもあります。
美術大学も様々。トップデザイナーは有名3校出身者が多いのが現実ですが、そうじゃない美大出身で活躍している方もたくさんいます。例えば有名な吉田ユニさん、野田凪さんは女子美術大学、グラフの北川一成さんは筑波大学視覚伝達デザイン学科。
学校によって影響を受ける部分は多いですが、最終的には結局は個人の能力や努力によるものが大きい。どの学校からでも上を目指すことは十分可能なんです。
美術大学や、デザイン学科を調べるなら
スタサプ進路
有名3大学が強いのは事実ですが、かなり難易度が高い。その他の学校でも活躍されてるデザイナーさんは多いので、他の大学も視野に入れてみて、資料請求して検討してみることをおすすめします。美大やデザイン学科など、ここから検索・一括資料請求できます。
学歴よりポートフォリオが大事

就職で重視されるのは結局はポートフォリオ。どんな大学の学歴があっても、ポートフォリオが面接官に響かなければ採用は難しい。逆に無名の大学、無名の専門学校やスクールでも、光るものがあれば採用されることはある。
自分は超無名専門学校卒でしたが、多摩美や武蔵美の学生も受けていた中、数十倍の倍率をくぐりぬけて、有名デザイン事務所に採用されました。その際「聞いたこともない学校だけど、こんな人もいるんだね〜!」と言われました。
評価は、学歴よりも「ポートフォリオ」
採用側としては、独創的な表現力があっても、仕事でデザインとしてイメージが出来なければ採用は難しい。デザイナーはアーティストではないので。表現力の高さと、デザイン力、仕事がイメージできるか、会社と合った人材か、それらを総合的に判断して採用されます。
特にデザイン事務所は即戦力が欲しい。新卒採用だとしても、なるべく仕事がイメージできる人が欲しいのです。
学歴はあくまでもきっかけにすぎません。ただし、電通は博報堂などの大企業だと、応募資格が大卒以上だったり、スタート地点にも立てないのでそういった会社を目指す場合は大学が必須です。
大学以外なら、専門学校よりスクールがおすすめ

専門学校をおすすめしない理由
自分は専門学校に2年間通っていたのですが、250万の価値があったとは思えません。数回しか無いレタリング、デッサン、デザイン史の授業。どれも中途半端、さわりをちょこっとやっただけ。おそらく学校案内に、たくさんの種類の授業がありますよ、と書きたいだけのように感じます。
そして、専門学校はやる気がない学生が多い。
自分はモチベーション高かったので、同年代のまわりの人と大きな温度差に正直愕然とした。仕送りもらってバイトして、課題提出できてない人とか、作品の質が悪い人とか、授業中寝てる人とか(いや、寝るに値するひどい授業もあったけど、、)何のために学校行ってるんだ?
遊びたい人ばっかり・・
なんか絵描くの好きだし、美大行くほどじゃない。そんな人が多く集まる専門学校より、スクールの方が圧倒的におすすめ。
スクールを選ぶ理由は、通う生徒層の違い
- 専門学校:高校卒業で入る人が多い(まだ遊びたい、モチベ低い)
- スクール:社会人や大学生が多い(働いてる、本気で学びたい人しか来ない)
専門学校にも社会人や大学卒業後に働きながら通ってる人が少しいましたが、親のお金で通ってない人たちは、みんなモチベーション高かったです。
自分も結局そういう年上の社会人の人と一緒にいることが多かった。専門学校にもやる気のある生徒は少し居たし、いい先生も少しいました。でも、大半はやる気の無い生徒や、学びが少ない先生。結局は本人のモチベーション次第ですが、やはり環境は大事。人は流されやすいので、周りに遊んでばっかりいる生徒よりも、真剣にデザインに取り組む生徒が多い環境の方がいいに決まっています。
スクールの方が学生のモチベは高いし学費も安いので、やはり今なら絶対スクールの方が効率的だと思ってしまいます。
おすすめのデザインスクール
スクールといってもピンキリ。質の低いスクールももたくさんあります。また、グラフィックデザイナーになる為のスクールは、そもそも少ない。グラフィックデザインって結構独特ですからね。そんな中、最高におすすめなスクールを見つけました。
グラフィックデザイナーになるための、超おすすめなスクール
東京デザインプレックス研究所 (資料請求)
講師は全員現役デザイナー、少人数のクラス制、手厚い就職サポート。プレックスプログラムシステムという、業界トップクリエイターによる授業も魅力の一つ(柿木原政広氏、伊藤弘氏、古平正義氏、中野豪雄氏など、有名デザイナーが登壇)。独学では就職出来ないような有名企業や、難関デザイン事務所にも十分就職できる可能性があるデザインスクール。
就職にはとても力を入れていて、面接対応や作品集の作り方まで、しっかりサポートしてくれます。独自の就職ルートを持っていることも魅力の一つ。ものすご就職実績がありあます。(グーグル(同)/ヤフー(株)/楽天(株)/(株)たき工房/チームラボ(株)/(株)ドラフト/(株)モリサワ/(株)ソニー・ミュージックエンタテイ ンメント/(株)博報堂/(株)電通/(株)博報堂プロダクツ/(株)電通テック/(株)東急エージェンシー/凸版印刷(株)など)
どの職種が向いてる?カリキュラム選びが迷うなど、個別に相談にのってくれるので、未経験の方でも安心。 また、融通のきく曜日や時間を設定できるので多くの大学生や社会人の方が通っています。 くわしくは資料請求してみましょう。
東京デザインプレックス研究所
まとめ
普通のデザイン会社なら、使いやすいのはスクール卒。実務に特化したカリキュラムが行われているので。美大卒の技術はトップのデザイン現場じゃないと活かせないし、アーティスト気質のデザイナーは現場で使いづらいこともある。
- 狭き門をくぐって、有名デザイナーになりたい
電通や博報堂といった上位クラスの広告代理店や、デザイン年鑑に載るようなハイレベルのデザイン事務所を目指す
→ 美術大学(学費600万〜800万円:4年間) - 現実的にグラフィックデザイナーになりたい
早くから実務経験を積めるメリット。転職して上を目指す方法もある
→ スクール(学費40〜80万円:1年間程度)
専門学校は、生徒のモチベーションが低いのでおすすめしない
美術大学や、デザイン学科を調べるなら
スタサプ進路
有名3大学が強いのは事実ですが、かなり難易度が高い。その他の学校でも活躍されてるデザイナーさんは多いので、他の大学も視野に入れてみて、資料請求して検討してみることをおすすめします。美大やデザイン学科など、ここから検索・一括資料請求できます。