
フリーランスのデザイナーって、何ができればなれるの?
また、フリーランスになる時に考えないといけないことってあるの?
といった質問に、フリーランスデザイナー約15年の経験からお伝えします。
経歴デザイン系専門卒 → 大阪のデザイン事務所(3ヶ月) → 東京の某有名デザイン事務所(数ヶ月) → 大手企業にてデザイナー(派遣社員:2年) → フリーランス、週2日で大手企業の業務委託(初WEBデザイナー)→ 完全独立
※現在は家族4人を養えるくらいの安定を確保
フリーランスデザイナーになる為の「2つの条件」

条件 1 | デザイナー経験2~3年以上(理想は3年以上)
2~3年あれば、一通り出来るようになります。スキルは辞めた後でも伸ばす方法はいくらでもあります。自分は会社に一応2年所属していましたが、経験的にはほぼ未経験に近い状態でフリーランスになってしまい、フリーランスになってから実際仕事をする上で分からないことが多く、自信も持てず、色々苦労しました。なので、3年くらいデザイナー経験があった方が安心です。
条件 2 | 仕事をもらうあてが「少しでも」あるか
「少しでも」というところがポイント。あては多くなくても良いです。知り合いの仕事 + クラウドソーシング(フリーランス向け仕事紹介サービス)という組み合わせで手堅くスタート可能。
会社時代にコネを作っておくと、フリーランスが断然楽に。
会社に長く居れば居るほど繋がりは増え、仕事をもらえる可能性も上がります。どのタイミングで辞めるのが良いかは人それぞれ。会社を辞めた時に、誰かから仕事をもらえる状態になっているとフリーランスも検討できます。
自分は辞める前の会社に居た時に、頼られる存在だったので、その会社から時々仕事をもらうことが出来ました。そのように、前の会社やそこで出来たつながりなど、少し仕事をもらうあてがあると、そこから広げていくことが出来ます。
条件が1つでも欠けていたら、まだやめたほうがいい。
この条件2つ、どちらも必須。どちらかでも当てはまらなければ失敗の可能性が高い。両方当てはまるなら、転職を考える前にフリーランスを検討してみよう。
フリーランスになれるかやってみればいい。ダメならまた就職すればいい。
このくらいのゆるい気持ちでフリーランスは始めたらいいと思います。自分も「独立で一発当てる!」という考えは全く無く「会社行きたくないなぁ、このまま家で仕事出来たらいいなぁ」という後ろ向きな姿勢をモチベーションとしてフリーランスになれました。
ただし、注意しないといけないのは「フリーター」にならないこと。
フリーランスとフリーターは違います。フリーターにならないように6つの思考を持ちましょう。
フリーランスデザイナーになる為の「6つの思考」

思考 1 | ダメならまた就職すればいい、あまり重く考えない。
フリーランスになるからって、気合を入れなくても大丈夫。むしろその方が余計なプレッシャーもなく気が楽。自分は「会社行きたくない」の一心ではじめました
フリーランス(独立)を重く考えない方がいい理由
- 意気込んで無駄な設備投資をしない為
独立すると意気込んでしまうと、設備などを充実させてしまいがいち。デザイナーってほとんど経費かからないので、あまり良い設備で固めないこと。初期はダンボールの上に座って作業していました。必要なのは、macとadobeソフトと、グラフィックデザイナーならプリンターくらい。モリサワパスポートはadobe type kitでモリサワの基本書体が入っているので初期は無くても何とかなる。 - 精神安定の為(仕事がない、やばい、人生終わった・・みたいな気持ちにならないように)
正直フリーランスの初期は相当不安定です。自分も3年間くらいはギリギリで繋いでいました。その際に、将来が不安になり、精神的に辛くなりがち。気持ちを保つために「ダメなら就職しよう」そのくらい軽い気分でいることがおすすめ。
余計なことを考える時間を無くす方法
フリーランス初期はとにかく時間が余っています。そういう時に良くないことを考えがち、暇があるなら、作品つくってSNSに投下したり、BASEでオンラインショップ作って、自分のデザイン商品を作って売るなどやってみる。そうしてると、暇な時間なんて残りません。
思考 2 | フリーランスはフリーターじゃない。バイトはしない。
独立を重く考えなくてもいいが、逆に軽く考えるのも良くない
バイトを始めてしまったら、それはフリーランスではなく、フリーターの始まりです。悪い意味でダラダラと続いてしまいます。先ほどと逆のような考えですが、仕事が無ければ「収入0」。という状況下に置くことで、危機感・緊張感を持って行動できる。
「ダメなら就職する」はOK「ダメならバイトでつなぐ」はNG
やれるところまでやってみるが正解。できなそうだから、会社行きたくないし延命させるのは不正解。不安定ながら自分の受けた仕事で何とか繋いでいく緊張感が、デザインの質を上げてくれて結果的に大きな仕事へと繋がっていきます。
思考 3 | 仕事が時々ある状態なら、週2~3日以内の業務委託も検討。
さっきの話と矛盾するようですが、現在いくつか仕事が来ている状態ならデザイン系の業務委託を加えてもOK。今来ている仕事が大きくなる可能性があり、あくまでも「今の仕事が大きくなるまでの、つなぎとして業務委託を使う」という考え。
業務委託がメインになることだけは避ける。
これだと業務委託に依存してしまい、伸びません。業務委託にに依存する就職したほうがいい。その方が力がつきます。
週2~3日以内としたのは、自分もかつて業務委託をやっていましたが、週4日以上行くと、もうそれは業務委託がメインです。週3日でも感覚的にはギリギリ半々くらい。理想は週2日が良いですが、中々週2日の案件は少ないので、週3日以内に抑えましょう。
デザイナーで週2~3日の案件サイトは少ない
おすすめの案件サイトは「クラウドテック 」
週2~3日やリモート案件があるめずらしい案件サイト。デザイナーの業務委託ってほとんど週5日なんですよね。当時はこんな便利なサイトは無かったので、その頃の自分だったら間違いなく利用していたと思います。
思考 4 | ルールを決める
いざフリーランスとしてスタートしてみると、迷うことはたくさんあります。いちいち迷いがでないように、最低限のルールを決めておくことをおすすめします。
どうなったら、フリーランスを諦めて就職するのか
自分の場合は貯金が尽きたら終わり(バイトはしない)。というルールでやっていました。ほどよく危機感があり、結果的にこれは良かったです。
受ける仕事、受けない仕事(参考:自分はこう決めた)
- 魅力のない安請け合いはしない
最初の頃は、何でも受けて数こなす、ていうのも悪くないですが、その仕事に未来はありません。この場合、仕事が増えても幸せにならず、だんだんきつくなっていきます。これだとフリーランスのメリットはあまり無いので、あまり安すぎるような仕事は受けないほうがいい。 - クリエイティブな仕事なら、安くても受ける
安くてもクリエイティブな仕事は受ける。クリエイティブ性の無い安いだけの面倒な仕事は暇じゃなければ受けない。と決めていました。 - 仕事の将来性を考慮する
知り合いは独立初期、アダルト系のWebサイト制作の案件が入り、内容的には絶対避けたいけど、ギャラが超高額だった為、本気で迷ったそう。というのも、単発で終わらない可能性もあり、今後の方向性を左右するかも知れないから。気づけば年商数千万のアダルト系デザイン事務所となってることだってありえますからね。
いろんなパターンの仕事がありますから、基本は都度判断なのですけどね。
思考 5 | 時間があるは強み。受けた仕事は全力で。空き時間に出来ることはある。
小さな仕事にでも時間がかけれるので、全力で取り組む
いきなり大きい仕事はなかなか来ません。小さい仕事で信頼を得ているうちに、大きな仕事を任してもらえるようになります。小さい仕事は金額が低い割に大変だったりするので最初の頃は耐える。
自分もムック本案件で、誰かのデザイナーさんのアシスト的に入ることも多かったですが、何回か後には、編集の方から直接メインで仕事を頂けることもありました。
Twitter、Instagram、BASEなど、メディアを使って何かやってみる
仕事が無ければ、作品をつくりましょう。TwitterやInstagramでフォロワーを増やし、オンラインショップBASEで作品を販売するなど、時間があるならコストかけずに何かやってみる姿勢が大事。
思考 6 | 人脈づくりを常に意識
特に最初は人脈づくりが大切。繋がりがなければ仕事はありませんからね。
自分は人脈づくりが下手なので、言えることは少ないのですが、こんな自分でもある程度の人脈ができたので、その方法をお伝えします。
デザイン・イラスト関連のレセプションパーティに行ってみる。
規模は大小あり「gggギャラリーのオープニングパーティー」から、「小さな個展のレセプションパーティ」まで様々。基本誰でも参加出来るので、色んな所に顔を出してみる。おすすめは最初は小さめの個展とかで、お菓子でも食べながら誰かに話しかけてみる(話しかけられることも)。
基本こういう所には、デザイナー、編集者、ライターなどの同業者が多いので、直接仕事に繋がりやすい。こういう場でフリーランスなのは生きます。
パーティなどという場は苦手な自分も、誰かに誘われて行ったのがきっかけで、色んな方と知り合いになれました。当然ですが人脈は広ければ広いほうが仕事につながりやすいです。
コミュ力が高い人は、どんどん人と会ってください。(自分は出来ない・・)
フリーランスデザイナーになる為の「2つの条件」と「6つの思考」まとめ
- フリーランスデザイナーになる為の「2つの条件」
条件 1 | デザイナー経験2~3年以上(理想は3年以上)
条件 2 | 仕事をもらうあてが「少しでも」あるか - フリーランスデザイナーになる為の「6つの思考」
思考 1 | ダメならまた就職すればいい、あまり重く考えない。
思考 2 | フリーランスはフリーターじゃない。バイトはしない。
思考 3 | 仕事が時々ある状態なら、週2~3日以内の業務委託も検討。
思考 4 | ルールを決める
思考 5 | 時間があるは強み。受けた仕事は全力・空き時間に出来ることはある。
思考 6 | 人脈づくりを常に意識
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