もうデザイナー辞めたい…。
どうして、たった3ヶ月で、
あんなに好きだったデザイナーを辞めたくなったのか。
自分は専門学校卒。
芸大のエリートには遠く及ばない経歴ながら、ポートフォリオの作品を絶賛され、数十倍の倍率を勝ち抜き、悲願の有名デザイン事務所に入社。
夢へ一歩近づいたと思ったはずでした。
有名デザイン事務所入社日。夢のような一日。
日中は軽い手続きなどで終えて、夜に歓迎会。
事務所から歩いて数分。
当時カフェなどほぼ無縁だった自分には、刺激が強すぎるほどの超オシャレカフェ。
「オシャレ」を具現化したようなキラキラな都会的カフェ。空間もメニューもひどく輝いて見えました。アットホームで、みんな本当に優しいひとばかりで、笑いの絶えない歓迎会。なんて幸せなんだろう。
そんなカフェで1~2時間くらい楽しく過ごし、2次会へ。
1件目から2件目に移動する途中にも「オシャレ」を象徴するような出来事。そのデザイン事務所が「デザインプロデュースしたお店(やっぱりオシャレ)」に立ち寄ってスタッフに軽く挨拶。
なんだドラマの世界か!?
イチイチお洒落、お洒落すぎる。。
これが、東京のトップクラスの世界なのか…
キラキラしすぎて目がくらみそう…
次のお店は、1件目とは全く違ったテイストのお店だったと思います。実はここはあまり覚えてないです。入る時に「どう?ここ入ってみたい?」と聞かれ、選ばせてくれるんですよ。本当に優しい。
そして3件目「あそこ行ってみるか」。
どこなんだろう…。正直かなり酔っていたのですが、その連れて行ってもらったお店が、1件目、2件目と全くレベルが違う、素人でも分かる「絶対高い!ここ、絶対高い!」て思えるような高級BAR。
店内が真っ暗… だけど、高級感を演出する、わずかな間接照明…
そしてウイスキーに丸い氷(←初めて見る)。
なんじゃこりゃ~(社会経験ほぼ0)。
もう、こんな待遇されたの一生の一度も無いので、酔いもあって、この頃には夢か現実か曖昧になっています。
これだけでもう、十分過ぎるくらいだったのですが、
さらに、おひとり合流されまして。
「おつかれ~」
ん??
わっ!!◯◯◯◯さん(芸能人)!
やばいやばい、自分が欠かさず聞いてる大好きなアーティストのラジオで、ちょうど3日前にゲスト出演されてた方だ。
「あのっ!先週ラジオ聴きました」
「そうそう、実はあれって~」
裏話を直接聞いたり、これって現実?
って思えるほど信じられない一日。
夢なんだろう、そうだ夢だ。
全く現実感の無い初日でした。
入社して、毎日が充実の日々。夜中帰宅も気にしない!
このデザイン事務所に受かったことで上京。
初めて東京に住むことになりました。
「終電で帰れることは無いから、自転車で通えるところに住んでね」
これは面接でも言われていたこと。
「いつも帰るのは夜中になると思うけど、頑張れる?」
「はい!」
とにかく今は駆け出し。上を目指したいと思っていたので、夜中の何時であっても必死で勉強しなきゃ。という勢いがあった自分は、数年は人生の全てをデザインに捧げようと思っていたので、家に帰れれないのは全然気にしていませんでした。
最初の頃は、何をするにもよく褒められました。
2ヶ月目、大きな仕事が入り、事務所内はピリピリモード
広告系の大きいクライアントの仕事が入る。
自分は何にも分からないのですが、事務所内は常に誰かが怒られている状態。
そんな状況で、今までチヤホヤしてもらった自分も、
徐々に怒られることが増えてきます。
何を怒られているかと言うと「気が利かない」
下っ端としての基本の振る舞いが出来ていない。
これがちょっと独特で、
どのタイミングでどのように振る舞えば良いのか、考えて行動する。
抽象的ですが、デザイン以前にアシスタントとして皆がスムーズに仕事を出来ることを考えて動く。
というデザインのことしか考えてこなかった自分には全く無い技術。
何をどうすればいいのか、全然わからない・・・
3ヶ月目、足手まとい。早く辞めろ!と言われ続け、限界に
忙しい日が続きます。
深夜3時、今日も誰かが怒られています。
シーンと静まり返った、沈黙の空気。
やばい、、眠い・・・(ウトウト・・・)
「おいっ! 何ウトウトしてんだ! 目障りだよ、帰れ!」
「すいません・・・失礼します・・・」
― 深夜4時、帰宅 ―
どうして自分はこんなに出来ないんだろう・・・。
今何をするべきか、今の流れから考えて行動しないといけないはずなのに、
今、何の仕事がどう進行してて、自分は何をするべき?
入って3ヶ月、そろそろ分からないといけない頃なの?
分からない。。全然分からない。
何で自分はこんなに頭が悪いんだろう。
― 9時半、出社 ―
事務所は忙しいはずなのに、やることが無い。
上司に聞く?
いや、自分で考えてって、よく言われてるから、聞きづらい。。
・・・そんなことを考えているうちに。
ガチャ!
あの人が出社してきた。(事務所のトップデザイナー兼社長)
とにかく怖くて、画面に向かって何か作業をしている風を装う。
「今何やってんの?」
「いや、えっと、データの整理を・・・」
「は?おい、この忙しい時に何で!? マジで使えねー」
「すいません・・・」
どうしてこうなった。
皆が出来てることが出来てない。
足手まといすぎるのが、自分でも分かる。
デザイナー向いてないのかもしれない。
「いつ辞めるの? 足手まといだから、早く辞めてほしいんだけど」
何十倍の倍率でようやく入れた夢につながる道。
ここで辞めたら全て終わってしまいそうで、なかなか辞めるとは言えなかったけど、言われる通り、まわりのレベルが高いのか、自分がレベルが低いのか、とにかく足手まといなのは十分分かる。
ここにしがみついているのは、あまりに申し訳ない気がする。
迷いに迷って、とても迷ったけど、、
「早く辞めろよ!!」
「すみません、、、わかりました。。。。辞めます。」
これって、今思うとパワハラだし、完全に「不当な解雇」で法律上罰せられると思います。後に、その事務所で喧嘩になって辞めた人が居るという話も聞きました。
自分が悪いんじゃなくて、その会社の人と「合うか合わないか」
あの頃は何も知らないので、とにかく自分が悪いんだと思っていました。
今思えば、ただ「合わなかった」だけだと思います。実際他の会社では、とても重宝されました。
自分は何も変わってないのに、会社によって自分の見え方は全然違う
デザイン系の会社はブラックばかり? ブラックを避ける方法はある
デザインは好きだけど、デザイン系の会社は激務。終電は当たり前で、ブラックな話しか聞かない。
正直ブラックな会社が多いのは事実です。
ブラックな会社が圧倒的に多いのは本当の話です。デザイン自体は好きだけど、デザイン業界の独特の、激務な風潮は無くなりそうにありません。
でも、出来るだけブラックじゃない職場に行きたいですよね。
ブラックな、満足度が低い会社だと人がすぐ辞める
だけど、良い会社は人が辞めづらい。
そういう会社って見つける方法はあるの?
人があまり辞めない、良い会社を見つける方法
方法 1|転職エージェントに登録されている会社を選ぶ
なぜ?:離職率の高いブラックな会社は、転職エージェントに登録しないから。
それは、1人採用する際、採用する会社は転職エージェントに採用者の年収の30%を払っている為、すぐ人が辞めるようなブラックな会社にとって転職エージェントを使うのはデメリットしかない。
おすすめの転職エージェント
- マイナビエージェント
とにかく質が良い求人が特徴、量も結構あります。有名大手企業の求人が並ぶので安心できる転職エージェントだと思います。非公開求人も多いので、登録しておくことをおすすめします。20代〜30代の方向けの転職エージェントです。 - doda
求人数が多いのが特徴。WEBデザイナーはもちろん、グラフィックデザイナーの求人も多くあります。転職サイトと転職エージェントが一体になっているので、求人検索をして応募もできるし、エージェントから求人の紹介もある。サポートが手厚いので、理想の求人にたどり着きやすい。
方法 2|インハウスデザイナーになる
自分はこれで救われた
この後、自分は転職してインハウスデザイナーになります。これが大正解で別世界。転職後の会社では「信頼される存在」としてかなり優遇されました。(自分は何も変わっていないのに。)扱いは普通の会社員。デザインしたいけど激務は嫌、という人にはこれ以上の職場はありません。クリエイティブ職特有の残業終電当たり前、みたいな風潮は一切ありません。
インハウスデザイナー求人がある転職エージェント
- 【マスメディアン】
マスメディアンは、宣伝会議、販促会議、ブレーン、広報会議などクリエイティブ関連書籍で有名な60年の歴史がある「宣伝会議」のグループ会社。マスコミ関連に特化した転職エージェントだけあって、独自の求人があり、質の良い求人が多め。 - マイナビエージェント
マイナビエージェントにもインハウスデザイナーの求人が多くあります。こちらは大手企業が多い印象です。
※マイナビのプロモーションを含みます。
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